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売掛債権管理

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  • 債権債務

2020年06月01日

経理の仕事の基本は仕訳の作業だと思います。その中でも、最も取引が多く、最も多く出てくる勘定科目が「売上」ではないでしょうか。ここでは、その売上の取引において、基本的な考え方を見ていきたいと思います。

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売上業務

売上はどのようなタイミングで計上されるのでしょうか。
お金を受け取ったときでしょうか。ものを引き渡したときでしょうか。役務提供の場合はどうでしょうか。
売上の認識は「実現主義」により行われます。実現主義とは、実現の時点で収益を認識する、という会計学の考え方です。
では、「実現」とはどのような時点のことをいうのでしょうか。
「実現」の時点とは、財貨または役務が外部に販売された事実をさします。実現の要件には次の2つがあります。

  • 財貨または用益の移転
  • 現金または現金等価物の取得

この2つを満たすことが「実現」の時点には必要となってきます。

例えば、売上の取引上、先に代金を受け取るような場合があります。
この場合には、現金の取得はあっても、商品の引渡しが行われていないため、実現の要件は満たしておらず、
この時点では売上を認識しません。
次に、実現の基準を考えていきたいと思います。売上の実現を計る基準は一つではないのです。
商品の販売の際には、次の一般的な売上計上基準があります。

  1. 出荷基準
    商品等を実際に出荷(発送)した日をもって、売上に計上する方法
  2. 引渡基準
    相手先へ商品等を引き渡したという事実をもって、売上に計上する方法
  3. 検収基準
    相手先へ納入した商品等の数量、品質等を検収・確認した時点をもって、売上に計上する方法

複数の基準が認められてはいますが、一度採用した基準は継続して適用し続けることが求められています。
その他の特殊な販売形態による売上計上基準は次のとおりです。

  1. 委託販売・・・販売基準または仕切清算書到達基準
  2. 試用販売・・・買取意思表示基準
  3. 予約販売・・・引渡基準
  4. 割賦販売・・・引渡基準、回収基準、回収期限到来基準
  5. 長期完成工事・・・工事完成基準または工事進行基準

それでは売上の計上漏れを防ぎ、売上を適切に計上するためには、どのような方法をとればよいのでしょうか。

①相手先ごとに売掛金・前受金の残高管理を行う

取引先毎に売上実現のタイミングが異なるため、売上債権の発生・回収については、取引の相手先毎に確認する必要があります。例えば、売掛金の残高がマイナスとなっていることがあります。このような場合は、売上債権の回収の計上はできていても、売上の計上が漏れているということになります。

②定期的に実地棚卸を行う

売上の認識は商品の引渡し等により行われますので、帳簿上で管理をすることの他、定期的に実地棚卸を行い、商品の実際の残高と帳簿上の残高を確認することにより、売上の計上漏れを防ぐことができます。

③収益と費用が対応しているかどうか確認する

取引先に外注する場合など、その外注費に対応する売上があるかどうかを確認することにより、売上計上漏れを防ぐことができます。

④利益率に極端なばらつきがないか確認する

個別の取引での確認、前月比較や前年同月比較、決算時には前年度末との比較を行うことにより、異常値となっていないか確認することにより、売上の計上に誤りがないか確認します。

⑤補助簿や証票等との照合を行う

売掛金台帳や売上台帳、商品有高帳などの補助簿、請求書や納品時の証票と会計処理が一致しているかを確認することにより、単純な売上計上漏れを防ぐことができます。

ここで問題です。不動産会社が部屋を貸している入居者から家賃が振り込まれました。この場合の売上計上の時期はいつになるのでしょうか。

売上の計上は実現主義により行われます。実現とは「財貨または用益の移転」及び「現金または現金等価物の取得」をさします。不動産会社の家賃収入の計上時期は、期間の経過によって借主は賃料の支払い義務が生じるため、その期間が経過した時点で収益が認識されることになります。

債権残高管理

商品を売り上げるのと同時に発生する代金の回収はとても重要な問題となります。売上代金の回収が遅れると資金繰りが悪化し、経営が苦しくなってきます。販売代金を回収しない限り、営業活動を継続していくうえで経費の支払いを続けることは不可能です。

債権残高を適切に管理するためには、得意先元帳、売掛金台帳等を作成し、債権の残高を確認していくことが必要です。請求金額が支払い期日どおりに入金されているかを確認することはとても重要なことです。もし債権の回収が遅れている取引先があれば、取引先への確認や督促などを行う必要があります。また、その取引先の経営状況を注視していく必要もあります。

請求書の発行と入金確認作業

請求書の発行は売掛金台帳をもとにして、各取引先に対して発行します。請求書発行が遅れると、入金の遅れにつながるため注意が必要です。

入金確認作業では、請求書発行時に指定した回収期日どおりに請求した金額が入金されているかどうかを確認します。この作業は消込作業と呼ばれています。このときに、売掛金と入金額に差額が生じていれば、取引先に確認し、差額に対してどのように処理をするのかを確認する必要があります。入金額が足りない場合には、その取引先に対する支払債務と相殺されている場合もあります。金額が少額の場合には次回の請求時にその分を加算して送金してもらう場合もあります。入金過多の場合には返金処理をする必要性もあるでしょう。

これらの作業は非常に重要です。忘れたり間違えたりすると、この後の取引先への誤請求の原因につながりますので注意しましょう。また、回収期限までに入金がない取引先に対しては、「すぐに」連絡をとることが重要です。

債権残高の確認

期中での債権残高管理の他に、決算時には各得意先に対し、その記帳が正しいかどうかをチェックするために、債権の残高確認を行うようにします。得意先が債務として認識している金額と一致していない場合には、原因を分析しましょう。
回収時期の管理を徹底しても、入金が遅れがちな取引先はあるものです。そのような取引先については、約束通りに払ってもらえるように仕向ける努力も必要ですが、長い目で見ると、回収のよい取引先に売上をシフトしていくことも、経営のためには必要です。

与信管理

与信とは、取引先に信用を与えることです。販売行為から入金までの売上債権の管理を行うことを与信管理と呼びます。与信管理を行うためには、各取引先について信用評価を行い、それぞれに与信限度額の設定を行います。与信限度額は取引開始時だけなく、定期的に見直す必要があります。内部統制上、社内基準に沿って適切に与信の設定がされているかどうかの確認は、与信を設定する部門とは異なる部門(管理部門等)において行う必要があります。

営業担当者は、このように設定された与信限度額の範囲内において売上債権の残高を抑える必要があります。得意先の希望どおりに商品を納入してはいけない、ということです。財務状況等から与信限度額が低くなる場合には、現金取引に変更したり、保証金を預かる場合もあります。

滞留債権対応

滞留債権の管理

滞留債権を管理するためには、得意先ごとに売上債権残高を定期的にチェックすることが必要です。債権の回収が遅れている場合には、その得意先は経営的に危険な状態にあり、その債権は回収できなくなり、貸倒れとなってしまうかもしれません。この売掛金残高を取引先毎にタイムリーに管理することにより、与信管理が有効となります。

滞留債権の発生の原因には、得意先の業績不振に起因するものの他、取引上のトラブルによるものも考えられます。返品や値引きなどの記入漏れや二重計上などの記入ミスによるものです。納品時の数量不足や品質不良、破損等が原因の場合もあります。
滞留債権の発生原因を正しく確認し、得意先ごとの債権残高をつねにしっかりと把握することにより貸倒れを未然に防ぐようにしましょう。

執筆者:山梨

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お問合せ:CSアカウンティングお問い合わせフォーム

売上業務

売上はどのようなタイミングで計上されるのでしょうか。
お金を受け取ったときでしょうか。ものを引き渡したときでしょうか。役務提供の場合はどうでしょうか。
売上の認識は「実現主義」により行われます。実現主義とは、実現の時点で収益を認識する、という会計学の考え方です。
では、「実現」とはどのような時点のことをいうのでしょうか。
「実現」の時点とは、財貨または役務が外部に販売された事実をさします。実現の要件には次の2つがあります。

  • 財貨または用益の移転
  • 現金または現金等価物の取得

この2つを満たすことが「実現」の時点には必要となってきます。

例えば、売上の取引上、先に代金を受け取るような場合があります。
この場合には、現金の取得はあっても、商品の引渡しが行われていないため、実現の要件は満たしておらず、
この時点では売上を認識しません。
次に、実現の基準を考えていきたいと思います。売上の実現を計る基準は一つではないのです。
商品の販売の際には、次の一般的な売上計上基準があります。

  1. 出荷基準
    商品等を実際に出荷(発送)した日をもって、売上に計上する方法
  2. 引渡基準
    相手先へ商品等を引き渡したという事実をもって、売上に計上する方法
  3. 検収基準
    相手先へ納入した商品等の数量、品質等を検収・確認した時点をもって、売上に計上する方法

複数の基準が認められてはいますが、一度採用した基準は継続して適用し続けることが求められています。
その他の特殊な販売形態による売上計上基準は次のとおりです。

  1. 委託販売・・・販売基準または仕切清算書到達基準
  2. 試用販売・・・買取意思表示基準
  3. 予約販売・・・引渡基準
  4. 割賦販売・・・引渡基準、回収基準、回収期限到来基準
  5. 長期完成工事・・・工事完成基準または工事進行基準

それでは売上の計上漏れを防ぎ、売上を適切に計上するためには、どのような方法をとればよいのでしょうか。

①相手先ごとに売掛金・前受金の残高管理を行う

取引先毎に売上実現のタイミングが異なるため、売上債権の発生・回収については、取引の相手先毎に確認する必要があります。例えば、売掛金の残高がマイナスとなっていることがあります。このような場合は、売上債権の回収の計上はできていても、売上の計上が漏れているということになります。

②定期的に実地棚卸を行う

売上の認識は商品の引渡し等により行われますので、帳簿上で管理をすることの他、定期的に実地棚卸を行い、商品の実際の残高と帳簿上の残高を確認することにより、売上の計上漏れを防ぐことができます。

③収益と費用が対応しているかどうか確認する

取引先に外注する場合など、その外注費に対応する売上があるかどうかを確認することにより、売上計上漏れを防ぐことができます。

④利益率に極端なばらつきがないか確認する

個別の取引での確認、前月比較や前年同月比較、決算時には前年度末との比較を行うことにより、異常値となっていないか確認することにより、売上の計上に誤りがないか確認します。

⑤補助簿や証票等との照合を行う

売掛金台帳や売上台帳、商品有高帳などの補助簿、請求書や納品時の証票と会計処理が一致しているかを確認することにより、単純な売上計上漏れを防ぐことができます。

ここで問題です。不動産会社が部屋を貸している入居者から家賃が振り込まれました。この場合の売上計上の時期はいつになるのでしょうか。

売上の計上は実現主義により行われます。実現とは「財貨または用益の移転」及び「現金または現金等価物の取得」をさします。不動産会社の家賃収入の計上時期は、期間の経過によって借主は賃料の支払い義務が生じるため、その期間が経過した時点で収益が認識されることになります。

債権残高管理

商品を売り上げるのと同時に発生する代金の回収はとても重要な問題となります。売上代金の回収が遅れると資金繰りが悪化し、経営が苦しくなってきます。販売代金を回収しない限り、営業活動を継続していくうえで経費の支払いを続けることは不可能です。

債権残高を適切に管理するためには、得意先元帳、売掛金台帳等を作成し、債権の残高を確認していくことが必要です。請求金額が支払い期日どおりに入金されているかを確認することはとても重要なことです。もし債権の回収が遅れている取引先があれば、取引先への確認や督促などを行う必要があります。また、その取引先の経営状況を注視していく必要もあります。

請求書の発行と入金確認作業

請求書の発行は売掛金台帳をもとにして、各取引先に対して発行します。請求書発行が遅れると、入金の遅れにつながるため注意が必要です。

入金確認作業では、請求書発行時に指定した回収期日どおりに請求した金額が入金されているかどうかを確認します。この作業は消込作業と呼ばれています。このときに、売掛金と入金額に差額が生じていれば、取引先に確認し、差額に対してどのように処理をするのかを確認する必要があります。入金額が足りない場合には、その取引先に対する支払債務と相殺されている場合もあります。金額が少額の場合には次回の請求時にその分を加算して送金してもらう場合もあります。入金過多の場合には返金処理をする必要性もあるでしょう。

これらの作業は非常に重要です。忘れたり間違えたりすると、この後の取引先への誤請求の原因につながりますので注意しましょう。また、回収期限までに入金がない取引先に対しては、「すぐに」連絡をとることが重要です。

債権残高の確認

期中での債権残高管理の他に、決算時には各得意先に対し、その記帳が正しいかどうかをチェックするために、債権の残高確認を行うようにします。得意先が債務として認識している金額と一致していない場合には、原因を分析しましょう。
回収時期の管理を徹底しても、入金が遅れがちな取引先はあるものです。そのような取引先については、約束通りに払ってもらえるように仕向ける努力も必要ですが、長い目で見ると、回収のよい取引先に売上をシフトしていくことも、経営のためには必要です。

与信管理

与信とは、取引先に信用を与えることです。販売行為から入金までの売上債権の管理を行うことを与信管理と呼びます。与信管理を行うためには、各取引先について信用評価を行い、それぞれに与信限度額の設定を行います。与信限度額は取引開始時だけなく、定期的に見直す必要があります。内部統制上、社内基準に沿って適切に与信の設定がされているかどうかの確認は、与信を設定する部門とは異なる部門(管理部門等)において行う必要があります。

営業担当者は、このように設定された与信限度額の範囲内において売上債権の残高を抑える必要があります。得意先の希望どおりに商品を納入してはいけない、ということです。財務状況等から与信限度額が低くなる場合には、現金取引に変更したり、保証金を預かる場合もあります。

滞留債権対応

滞留債権の管理

滞留債権を管理するためには、得意先ごとに売上債権残高を定期的にチェックすることが必要です。債権の回収が遅れている場合には、その得意先は経営的に危険な状態にあり、その債権は回収できなくなり、貸倒れとなってしまうかもしれません。この売掛金残高を取引先毎にタイムリーに管理することにより、与信管理が有効となります。

滞留債権の発生の原因には、得意先の業績不振に起因するものの他、取引上のトラブルによるものも考えられます。返品や値引きなどの記入漏れや二重計上などの記入ミスによるものです。納品時の数量不足や品質不良、破損等が原因の場合もあります。
滞留債権の発生原因を正しく確認し、得意先ごとの債権残高をつねにしっかりと把握することにより貸倒れを未然に防ぐようにしましょう。

執筆者:山梨

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