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固定資産

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2020年06月01日

企業が事業活動を行う上で、必要な設備や備品を保有し、会計上それらを固定資産として計上しています。固定資産は通常は長期間使用するため、その使用期間を通じて一定のルールに基づき費用化されていきます。そのため実物の固定資産の動きに合わせて固定資産台帳を管理し、適宜実物の固定資産と固定資産台帳の動きを合わせる必要があります。今回は、固定資産管理に着目し、その目的や管理業務等について、事前に知っておきたい事項をまとめています。

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固定資産の取得

固定資産の取得にあたっての事前確認

固定資産の取得は金額が多額になることも多いため、企業の事業活動を行うにあたり、重要な活動の一つとなります。そのため固定資産取得にあたっては、以下にある事項等を事前に検討し、決定する必要があります。

  • 固定資産を取得したことによる損益およびキャッシュフローに与える影響
  • 固定資産取得後に発生が見込まれるランニングコスト・メンテナンス費用等

なお、固定資産の取得には購入以外にもリース等による取得もあり、取得方法も事前検討項目の一つとして、どの方法で購入することが自社に適しているかを検討する必要があります。

固定資産取得の実行と取得価額

発注

固定資産を購入するにあたっては、事前に複数の業者から見積りを取得し、購入資産の性能や価額について比較検討を行った上で、発注業者の最終決定を行います。

検収

発注業者から固定資産が納品された場合には、先ず納品書・発注書・実物について確認を取り、検収作業を実施します。

固定資産計上と取得価額

納品された固定資産の検収が完了した後に、固定資産台帳に購入した固定資産の計上を行います。固定資産計上にあたっては、その固定資産の購入対価の他、取得に要した付随費用(引取運賃・購入手数料や荷役費等)および事業の用に供するために直接要した費用(据付費、試運転費用等)を含めて計上する必要があります。

また、固定資産を事業の用に供する前に支払いを行った場合には、固定資産として計上は行わずに、建設仮勘定で計上する場合もあります。

少額資産の取扱い

法人税法上、少額の減価償却資産については別途取扱いが設けられています。

一括償却資産

固定資産に該当し、取得価額が20万円未満であるものについては、3年間で均等償却することが認められています。

少額減価償却資産

使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満の場合には、その取得価額に相当する金額を損金経理したときは、その損金経理した金額は、損金の額に算入することができます。なお、資本金が1億円以下の一定の中小法人等に関しては、取得価額が30万円未満の資産(同一事業年度で合計300万円まで)は、その取得価額に相当する金額を損金経理したときは、その損金経理した金額は、損金の額に算入することができます。

減価償却費

減価償却とは

固定資産を取得した場合には、取得した後に長期間にわたって使用されるため、一時に費用とはせずに、その固定資産の種類に応じた方法で、使用可能期間(耐用年数)にわたって費用化することとなり、これを減価償却といいます。

減価償却費の計算の基礎

減価償却の計算は取得価額、耐用年数、残存価額の3つを基礎として、資産の区分に応じた償却方法に基づき計算が行われます。

ⅰ)取得価額

・資産の取得価額として計上した金額となります。

ⅱ)耐用年数

・会計上
固定資産の経済的使用可能予測期間を考慮の上、所有者が決定すべきとされています。

・法人税法上
恣意性を排除するために、資産の種類と用途により耐用年数が定められています。
なお、実務上は法人税法上の耐用年数を使用することが多いようです。

ⅲ)残存価額

耐用年数を経過した固定資産のその経過時における処分価値が残存価額となります。
法人税法上は、有形減価償却資産および無形減価償却資産の残存価額はともにゼロとされております。
(平成19年3月31日以前取得のした有形固定資産について取得価額の10%と定められていました。)

減価償却費の償却方法

代表的な償却方法は定額法と定率法があり、それぞれ以下の算式で計算されます。

  • 定額法:取得価額 × 定額法償却率
  • 定率法:(取得価額 – 減価償却累計額)× 定率法償却率

減価償却の償却方法の採用は会社の任意となりますが、法人税法上は原則として以下の通りです。

・有形固定資産:定率法

ただし、平成10年4月1日以後に取得した建物、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物については定額のみとなっています。

・無形固定資産:定額法によって計算することとされています。

減価償却の計上方法

減価償却費を計上する方法として、直接控除方式と間接控除方式があります。

・直接控除方式

減価償却累計額を固定資産の取得価額から直接控除し、その控除後の残高を当該資産の帳簿価額として表示する方法です。

≪仕訳例≫

(借方)減価償却費 *** / (貸方)固定資産 ***

・間接控除方式

減価償却累計額を固定資産の取得価額に対する控除項目として、減価償却累計額の科目をもって表示する方法です。

≪仕訳例≫

(借方)減価償却費 *** / (貸方)減価償却累計額 ***

なお、財務諸表等規則においては、有形固定資産については直接控除方式または間接控除方式に、無形固定資産については直接控除方式によることとされています。

その他

・法人税法上における任意償却

法人税法上は固定資産の償却方法については、選択できる方法が定められており、原則としてはこれによる必要があります(法定償却方法)。ただし、事前に税務署長の承認を受けることにより、法定償却方法以外の方法によることも可能です。
また、耐用年数についても特別の事情がある場合に、事前に税務署長に承認を受けることで短縮することも可能です。

・遊休資産の減価償却

法人税法上、事業のように供していない資産(遊休資産)については、減価償却費の計上は原則として計上することはできません。ただし、いつでも稼働できるようにメンテナンスが行われている遊休資産については、減価償却費の計上ができることとされています。

現物管理

固定資産管理の実施

企業にとって、固定資産は事業活動を遂行するにあたり、重要性が高いため棚卸資産と同様に帳簿と現物の両方を管理する必要があります。そのため固定資産を取得した場合には、現物の資産に固定資産の番号を記載したシール等を貼り付け、その固定資産の情報を固定資産台帳に登録し管理を行います。その後固定資産に移動や除却、売却等による固定資産に変動があった場合には、現物の動きを把握すると同時に固定資産台帳を適宜更新する必要があります。

固定資産台帳の作成・更新

・固定資産台帳の作成

固定資産台帳は固定資産管理を目的として作成する企業の補助簿で、一括償却資産を含めて、固定資産の種類ごとに作成する必要があります。

・固定資産台帳の更新

固定資産台帳は、固定資産の現物の動きに合わせて適宜更新する必要があるため、取得や改良、資産の所在地の移動、除却・売却等が生じた場合には速やかに内容を確認し、固定資産台帳の更新を行います。適宜更新を行うことにより、現物と台帳を常に一致させることが可能となります。

現物管理

固定資産は取得後長期間使用することが多いため、現物と台帳を定期的・継続的に管理していく必要があります。なお固定資産の現物確認の際には、資産の使用状況や所在場所、滅失の有無等を把握していく必要があります。状況を定期的に確認することにより、台帳の整備・継続的な管理が可能となります。また、定期的に管理することで遊休資産や陳腐化資産も把握することができ、除却や売却等の判断を行う際の、経営管理上の有用な情報にもなります。

固定資産台帳と減価償却費

固定資産台帳は固定資産の現物を管理するのと同時に、減価償却費の計算にも使用されます。そのため減価償却費の計上後には、固定資産台帳と会計帳簿を照合し、固定資産の残高が一致しているかの確認を行います。

資産の移動・売却・除却

固定資産管理の移動

固定資産を移動させる場合には、その移動に合わせて、固定資産台帳にも反映させる必要があります。また資産の所在場所に移動があった場合には、償却資産税の申告についても影響がありますので、留意する必要があります。

固定資産の売却・除却

固定資産の売却や除却を実行するにあたっては、除却計画の確認や実行にあたっての費用を見積もる必要があります。また売却や除却を実際に行った場合には、売却や除却の証明資料を取引先から入手する必要があります。

有姿除却

保有している固定資産について、廃棄や撤去等を行わずに今後使用する見込みのない資産について、有姿のまま帳簿上だけで除却することをいいます。なお、一定の要件を満たす場合には、税務上においても、有姿除却は認められた会計処理として扱われます。

【おわりに】

今回は、固定資産管理についてお伝えし、併せて固定資産台帳の必要性と作成方法についてお伝えいたしました。固定資産台帳は、固定資産管理に用いられるだけでなく、資産ごとの減価償却費を計算するための重要な役割があります。減価償却費を正確に計算するためには、保有している固定資産を適宜管理し、変動があった場合には速やかに固定資産台帳に反映させることが必要になりますので、固定資産管理と減価償却費の関係性をご確認いただき、固定資産台帳の整備に役立てていただければと思います。

執筆者:菅谷

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運営会社:CSアカウンティング株式会社
お問合せ:CSアカウンティングお問い合わせフォーム

固定資産の取得

固定資産の取得にあたっての事前確認

固定資産の取得は金額が多額になることも多いため、企業の事業活動を行うにあたり、重要な活動の一つとなります。そのため固定資産取得にあたっては、以下にある事項等を事前に検討し、決定する必要があります。

  • 固定資産を取得したことによる損益およびキャッシュフローに与える影響
  • 固定資産取得後に発生が見込まれるランニングコスト・メンテナンス費用等

なお、固定資産の取得には購入以外にもリース等による取得もあり、取得方法も事前検討項目の一つとして、どの方法で購入することが自社に適しているかを検討する必要があります。

固定資産取得の実行と取得価額

発注

固定資産を購入するにあたっては、事前に複数の業者から見積りを取得し、購入資産の性能や価額について比較検討を行った上で、発注業者の最終決定を行います。

検収

発注業者から固定資産が納品された場合には、先ず納品書・発注書・実物について確認を取り、検収作業を実施します。

固定資産計上と取得価額

納品された固定資産の検収が完了した後に、固定資産台帳に購入した固定資産の計上を行います。固定資産計上にあたっては、その固定資産の購入対価の他、取得に要した付随費用(引取運賃・購入手数料や荷役費等)および事業の用に供するために直接要した費用(据付費、試運転費用等)を含めて計上する必要があります。

また、固定資産を事業の用に供する前に支払いを行った場合には、固定資産として計上は行わずに、建設仮勘定で計上する場合もあります。

少額資産の取扱い

法人税法上、少額の減価償却資産については別途取扱いが設けられています。

一括償却資産

固定資産に該当し、取得価額が20万円未満であるものについては、3年間で均等償却することが認められています。

少額減価償却資産

使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満の場合には、その取得価額に相当する金額を損金経理したときは、その損金経理した金額は、損金の額に算入することができます。なお、資本金が1億円以下の一定の中小法人等に関しては、取得価額が30万円未満の資産(同一事業年度で合計300万円まで)は、その取得価額に相当する金額を損金経理したときは、その損金経理した金額は、損金の額に算入することができます。

減価償却費

減価償却とは

固定資産を取得した場合には、取得した後に長期間にわたって使用されるため、一時に費用とはせずに、その固定資産の種類に応じた方法で、使用可能期間(耐用年数)にわたって費用化することとなり、これを減価償却といいます。

減価償却費の計算の基礎

減価償却の計算は取得価額、耐用年数、残存価額の3つを基礎として、資産の区分に応じた償却方法に基づき計算が行われます。

ⅰ)取得価額

・資産の取得価額として計上した金額となります。

ⅱ)耐用年数

・会計上
固定資産の経済的使用可能予測期間を考慮の上、所有者が決定すべきとされています。

・法人税法上
恣意性を排除するために、資産の種類と用途により耐用年数が定められています。
なお、実務上は法人税法上の耐用年数を使用することが多いようです。

ⅲ)残存価額

耐用年数を経過した固定資産のその経過時における処分価値が残存価額となります。
法人税法上は、有形減価償却資産および無形減価償却資産の残存価額はともにゼロとされております。
(平成19年3月31日以前取得のした有形固定資産について取得価額の10%と定められていました。)

減価償却費の償却方法

代表的な償却方法は定額法と定率法があり、それぞれ以下の算式で計算されます。

  • 定額法:取得価額 × 定額法償却率
  • 定率法:(取得価額 – 減価償却累計額)× 定率法償却率

減価償却の償却方法の採用は会社の任意となりますが、法人税法上は原則として以下の通りです。

・有形固定資産:定率法

ただし、平成10年4月1日以後に取得した建物、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物については定額のみとなっています。

・無形固定資産:定額法によって計算することとされています。

減価償却の計上方法

減価償却費を計上する方法として、直接控除方式と間接控除方式があります。

・直接控除方式

減価償却累計額を固定資産の取得価額から直接控除し、その控除後の残高を当該資産の帳簿価額として表示する方法です。

≪仕訳例≫

(借方)減価償却費 *** / (貸方)固定資産 ***

・間接控除方式

減価償却累計額を固定資産の取得価額に対する控除項目として、減価償却累計額の科目をもって表示する方法です。

≪仕訳例≫

(借方)減価償却費 *** / (貸方)減価償却累計額 ***

なお、財務諸表等規則においては、有形固定資産については直接控除方式または間接控除方式に、無形固定資産については直接控除方式によることとされています。

その他

・法人税法上における任意償却

法人税法上は固定資産の償却方法については、選択できる方法が定められており、原則としてはこれによる必要があります(法定償却方法)。ただし、事前に税務署長の承認を受けることにより、法定償却方法以外の方法によることも可能です。
また、耐用年数についても特別の事情がある場合に、事前に税務署長に承認を受けることで短縮することも可能です。

・遊休資産の減価償却

法人税法上、事業のように供していない資産(遊休資産)については、減価償却費の計上は原則として計上することはできません。ただし、いつでも稼働できるようにメンテナンスが行われている遊休資産については、減価償却費の計上ができることとされています。

現物管理

固定資産管理の実施

企業にとって、固定資産は事業活動を遂行するにあたり、重要性が高いため棚卸資産と同様に帳簿と現物の両方を管理する必要があります。そのため固定資産を取得した場合には、現物の資産に固定資産の番号を記載したシール等を貼り付け、その固定資産の情報を固定資産台帳に登録し管理を行います。その後固定資産に移動や除却、売却等による固定資産に変動があった場合には、現物の動きを把握すると同時に固定資産台帳を適宜更新する必要があります。

固定資産台帳の作成・更新

・固定資産台帳の作成

固定資産台帳は固定資産管理を目的として作成する企業の補助簿で、一括償却資産を含めて、固定資産の種類ごとに作成する必要があります。

・固定資産台帳の更新

固定資産台帳は、固定資産の現物の動きに合わせて適宜更新する必要があるため、取得や改良、資産の所在地の移動、除却・売却等が生じた場合には速やかに内容を確認し、固定資産台帳の更新を行います。適宜更新を行うことにより、現物と台帳を常に一致させることが可能となります。

現物管理

固定資産は取得後長期間使用することが多いため、現物と台帳を定期的・継続的に管理していく必要があります。なお固定資産の現物確認の際には、資産の使用状況や所在場所、滅失の有無等を把握していく必要があります。状況を定期的に確認することにより、台帳の整備・継続的な管理が可能となります。また、定期的に管理することで遊休資産や陳腐化資産も把握することができ、除却や売却等の判断を行う際の、経営管理上の有用な情報にもなります。

固定資産台帳と減価償却費

固定資産台帳は固定資産の現物を管理するのと同時に、減価償却費の計算にも使用されます。そのため減価償却費の計上後には、固定資産台帳と会計帳簿を照合し、固定資産の残高が一致しているかの確認を行います。

資産の移動・売却・除却

固定資産管理の移動

固定資産を移動させる場合には、その移動に合わせて、固定資産台帳にも反映させる必要があります。また資産の所在場所に移動があった場合には、償却資産税の申告についても影響がありますので、留意する必要があります。

固定資産の売却・除却

固定資産の売却や除却を実行するにあたっては、除却計画の確認や実行にあたっての費用を見積もる必要があります。また売却や除却を実際に行った場合には、売却や除却の証明資料を取引先から入手する必要があります。

有姿除却

保有している固定資産について、廃棄や撤去等を行わずに今後使用する見込みのない資産について、有姿のまま帳簿上だけで除却することをいいます。なお、一定の要件を満たす場合には、税務上においても、有姿除却は認められた会計処理として扱われます。

【おわりに】

今回は、固定資産管理についてお伝えし、併せて固定資産台帳の必要性と作成方法についてお伝えいたしました。固定資産台帳は、固定資産管理に用いられるだけでなく、資産ごとの減価償却費を計算するための重要な役割があります。減価償却費を正確に計算するためには、保有している固定資産を適宜管理し、変動があった場合には速やかに固定資産台帳に反映させることが必要になりますので、固定資産管理と減価償却費の関係性をご確認いただき、固定資産台帳の整備に役立てていただければと思います。

執筆者:菅谷

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