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電子帳簿保存法における事務処理規程の落とし穴

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2022年08月01日

電子帳簿保存法の改正による電子取引の電子保存義務化は、令和4年度税制改正大綱において2022年1月1日から2年間猶予されることとなりました。

その電子データの保存要件の1つに「真実性の要件」があります。真実性の要件を満たす手段の1つとして「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程に沿った運用」がありますが、この事務処理規程の作成方法について解説いたします。

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真実性の要件とは

2024年1月より電子取引の電子保存が義務化されますが、その保存にあたっては「真実性の要件」と「可視性の要件」の両方を満たしたうえで保存する必要があります。真実性の要件とは保存されたデータが改ざんされていないことを証明するための要件であり、次のいずれかの措置を行う必要があります。

  1. タイムスタンプが付された後に取引情報の授受を行う
  2. 取引情報の授受後、速やかにタイムスタンプを付して保存する
  3. データの訂正削除が不可又は訂正削除の履歴が残るシステムにて授受及び保存をする
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程に備え付けて、規程に沿った運用を行う

上記1は発行側においてタイムスタンプを付す必要があるため、要件を満たすためには相手先の協力も必要不可欠です。

上記2・3の要件を満たすためには自社において当該要件を満たすシステムを導入することが必要となります。

そのため、電子帳簿保存法に対応したシステムを導入しない場合に限り事務処理規程の作成が必要と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく全ての企業において事務処理規程は作成した方が望ましいといえます。

事務処理規程の落とし穴その1 誰が保存するか

電子帳簿保存法の改正について情報収集を積極的にされている方は、国税庁ホームページにて公表されている事務処理規程のひな形をご覧いただいたこともあるかと思います。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm

基本的にはこちらのひな形をベースとして、それぞれの企業の実態・業務フローに即した事務処理規程を作成していく流れとなりますが、このひな形には「誰が電子データを保存するか」を明記する条項がありません。

実際に相手先と書類をやり取りし、保存・管理までしていく流れをイメージすると気がつくと思いますが、相手先と書類をやり取りする場合には自社内に「授受者」と「処理者」の2人が存在することとなります。

営業担当者が相手先と直接請求書をやり取りするケースですと、「授受者」は営業担当者となります。その後、営業部のチェックを経てから経理部に回付、経理部にて入金又は支払処理を行う、といったケースであれば「処理者」は経理部の担当者となります。

仮に、営業担当者が相手先から電子メールに添付する形式で請求書PDFファイルを受け取った場合、メールによる書類のやり取りは電子取引に該当するため、当該請求書PDFファイルは電子データでの保存が義務となります。このPDFファイルを営業担当者がデータ保存するのか、それとも経理部なのかは企業の業務実態によって異なります。

義務化がスタートしてから社内で混乱を招かないためにも、統一したルール決めが必要です。

事務処理規程の落とし穴その2 いつまでに保存するか

誰が保存するかと同様に、いつまでに保存するかも再度社内で取り決め、規程に明記するのが望ましいでしょう。

現在、日本企業の書類のやり取りについては紙による方法が依然として残っており、電子帳簿保存法の義務化スタートの2年後においても、紙によるやり取りは残り続ける可能性は高いといえます。

つまり「紙と電子の両方で書類を保存・管理しなければならない」という事態が起こり得るため、経理部にとっては管理上の負担やストレスが増大するリスクがあります。

このため、電子データについても紙と同様に「毎月●日まで」や「授受後、翌●営業日まで」といった形で事務処理規程の中で定め、漏れなく社内の電子データが回収できるよう運用設計をしておけば事務負担の増加を最小限に抑え込む効果が期待できます。

事務処理規程の落とし穴その3 どんな企業であっても事務処理規程は作成すべき

上記の理由から、電子帳簿保存法の改正による社内ルールの統一・周知は必要不可欠であるため、電子帳簿保存法に対応したシステムを導入する場合であっても、事務処理規程は作成した方がよいでしょう。

また、事務処理規程のひな形に記載されている「保存したデータについて訂正・削除を行う場合の申請承認」についてもシステム導入有無に関わらず社内ルールとして決めておくべき部分です。

「電子帳簿保存法についてどのように進めていいか分からない」とお考えの企業には、まず事務処理規程の作成から着手し、その規程に沿った運用を施行日前にテストしてみる、といった進め方をお勧めしています。

おわりに

電子帳簿保存法への対応を検討する際、システム選定や情報収集が先行してしまいがちですが、まずは自社の実態・実情を見極めることが最重要課題です。

見極める順番やポイントについては、事務処理規程を作りこみながら考えていけば自ずと見えてくるため、社内調査を網羅的・効率的に進めることが出来ます。

自社内で調査検討するだけのリソースが確保できない場合、経理業務を切り出してアウトソーシングすることにより、業務負担の平準化と法対応の両方に対応できるケースがあります。

本記事について詳しく知りたい場合には、CSアカウンティング株式会社までお気軽にお問い合わせください。

 

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真実性の要件とは

2024年1月より電子取引の電子保存が義務化されますが、その保存にあたっては「真実性の要件」と「可視性の要件」の両方を満たしたうえで保存する必要があります。真実性の要件とは保存されたデータが改ざんされていないことを証明するための要件であり、次のいずれかの措置を行う必要があります。

  1. タイムスタンプが付された後に取引情報の授受を行う
  2. 取引情報の授受後、速やかにタイムスタンプを付して保存する
  3. データの訂正削除が不可又は訂正削除の履歴が残るシステムにて授受及び保存をする
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程に備え付けて、規程に沿った運用を行う

上記1は発行側においてタイムスタンプを付す必要があるため、要件を満たすためには相手先の協力も必要不可欠です。

上記2・3の要件を満たすためには自社において当該要件を満たすシステムを導入することが必要となります。

そのため、電子帳簿保存法に対応したシステムを導入しない場合に限り事務処理規程の作成が必要と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく全ての企業において事務処理規程は作成した方が望ましいといえます。

事務処理規程の落とし穴その1 誰が保存するか

電子帳簿保存法の改正について情報収集を積極的にされている方は、国税庁ホームページにて公表されている事務処理規程のひな形をご覧いただいたこともあるかと思います。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm

基本的にはこちらのひな形をベースとして、それぞれの企業の実態・業務フローに即した事務処理規程を作成していく流れとなりますが、このひな形には「誰が電子データを保存するか」を明記する条項がありません。

実際に相手先と書類をやり取りし、保存・管理までしていく流れをイメージすると気がつくと思いますが、相手先と書類をやり取りする場合には自社内に「授受者」と「処理者」の2人が存在することとなります。

営業担当者が相手先と直接請求書をやり取りするケースですと、「授受者」は営業担当者となります。その後、営業部のチェックを経てから経理部に回付、経理部にて入金又は支払処理を行う、といったケースであれば「処理者」は経理部の担当者となります。

仮に、営業担当者が相手先から電子メールに添付する形式で請求書PDFファイルを受け取った場合、メールによる書類のやり取りは電子取引に該当するため、当該請求書PDFファイルは電子データでの保存が義務となります。このPDFファイルを営業担当者がデータ保存するのか、それとも経理部なのかは企業の業務実態によって異なります。

義務化がスタートしてから社内で混乱を招かないためにも、統一したルール決めが必要です。

事務処理規程の落とし穴その2 いつまでに保存するか

誰が保存するかと同様に、いつまでに保存するかも再度社内で取り決め、規程に明記するのが望ましいでしょう。

現在、日本企業の書類のやり取りについては紙による方法が依然として残っており、電子帳簿保存法の義務化スタートの2年後においても、紙によるやり取りは残り続ける可能性は高いといえます。

つまり「紙と電子の両方で書類を保存・管理しなければならない」という事態が起こり得るため、経理部にとっては管理上の負担やストレスが増大するリスクがあります。

このため、電子データについても紙と同様に「毎月●日まで」や「授受後、翌●営業日まで」といった形で事務処理規程の中で定め、漏れなく社内の電子データが回収できるよう運用設計をしておけば事務負担の増加を最小限に抑え込む効果が期待できます。

事務処理規程の落とし穴その3 どんな企業であっても事務処理規程は作成すべき

上記の理由から、電子帳簿保存法の改正による社内ルールの統一・周知は必要不可欠であるため、電子帳簿保存法に対応したシステムを導入する場合であっても、事務処理規程は作成した方がよいでしょう。

また、事務処理規程のひな形に記載されている「保存したデータについて訂正・削除を行う場合の申請承認」についてもシステム導入有無に関わらず社内ルールとして決めておくべき部分です。

「電子帳簿保存法についてどのように進めていいか分からない」とお考えの企業には、まず事務処理規程の作成から着手し、その規程に沿った運用を施行日前にテストしてみる、といった進め方をお勧めしています。

おわりに

電子帳簿保存法への対応を検討する際、システム選定や情報収集が先行してしまいがちですが、まずは自社の実態・実情を見極めることが最重要課題です。

見極める順番やポイントについては、事務処理規程を作りこみながら考えていけば自ずと見えてくるため、社内調査を網羅的・効率的に進めることが出来ます。

自社内で調査検討するだけのリソースが確保できない場合、経理業務を切り出してアウトソーシングすることにより、業務負担の平準化と法対応の両方に対応できるケースがあります。

本記事について詳しく知りたい場合には、CSアカウンティング株式会社までお気軽にお問い合わせください。

 

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