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外貨建取引管理の基本

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2021年06月30日

外貨建取引とは、日本円以外の外国通貨の単位で表示される取引のことをいいますが、グローバル化が進む中、国外の法人との取引を検討・開始する日本企業も増加しているのではないでしょうか。外貨建取引を行う場合、どのレートを使って日本円に換算し記帳をおこなうか、という点がポイントになります。本コラムでは、為替レートの種類を中心に外貨建取引の基本的な流れについて確認をしてゆきます。

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外貨建て取引と為替レート

外貨建て取引とは、日本円以外の外国通貨(外貨)の単位で表示される取引のことをいいます。
外貨建取引を会計帳簿に記載するためには、日本円に換算する必要がありますが、
円建てに換算するためのレートには以下のものがあります。

TTBレート:Telegraphic Transfer Buying Rate(対顧客直物電信買相場

       外貨を円に換える場合に適用されるレート(例:ドルを売って円を獲得する)
       収益、債権に適用可能

TTMレート:Telegraphic Transfer Middle Rate¥(電信仲値相場仲値

       TTBレートとTTSレートの中間値
       原則適用

TTSレート:Telegraphic Transfer Selling Rate(対顧客電信売相場

       円を外貨に変わる場合に適用されるレート(例:円を売ってドルを獲得する)
       費用、債務に適用可能

原則的には、円換算には取引日のTTMレートを使用しますが、
継続適用を条件として収益および債権にはTTB、費用および債務についてはTTSレートを適用することも認められています。

為替予約とリスクマネジメント

外貨建てで掛売りなどを行っていると、取引日と入金日の為替変動の影響を受ける場合があります。
このような為替変動リスクを回避する方法として、為替予約があります。

為替予約とは、予め金融機関と決裁為替レートを取り決めておく方法です。
為替予約を行うことで、将来の為替差損を回避することが可能となりますが、
同時に為替が有利に変動した場合の差益を得ることも出来なくなります。
外貨建て取引を行っている企業は、過去の実績や市場の動向等を考慮し、
予め為替リスク変動に対するマネジメント方針を作成し、
方針に則った場当たり的で無い運用管理を徹底してゆくことが必要です。

外貨建取引の原則的な会計処理

外貨建て取引が行われた場合、どの為替レートを使って円換算するか、がポイントとなります。

原則としては、取引時のレート(Historical Rate ヒストリカルレート)で円建てに換算して記帳を行います。
ただし、取引が頻繁な場合、毎日のレートを確認するという作業は大きな事務負担となります。
そこで、継続適用を条件として
①前月末日・前週末日または当月の初日・当週の初日の為替レートを用いる、
②前月または前週といった一定期間の平均相場を用いる、など簡便な方法を採用することも認められています。
決済時にはその時点のレート(Current rateカレントレート)で決済するので(為替予約を行わない場合)、
取引時に計上した金額との差額が発生します。この差額は為替差損益(営業外収益・費用)で処理を行います。

例:①商品100ドルを掛けで販売した。(レート:1ドル=120円)
       売掛金 \12,000                 売上 \12,000

  ②一ヶ月後、売掛金100ドルが所定の口座に入金された(レート:1ドル=115円)
       預金     \11,500              売掛金 \12,000
       為替差損益   \500

売上・仕入など収益・費用科目については取引時に金額が確定しますが、
売掛金・買掛金などの資産・負債科目は、取引から入金までの間の為替変動の影響を受ける能性があります。
そこで、決算時の際には、決算時のレートで円換算を行い、為替差損益を計上することで為替リスクの時価評価を行います。

例:①商品100ドルを掛けで販売した。(レート:1ドル=120円)
       売掛金 \12,000                 売上 \12,000

  ②決済前に決算を迎えた。(決算時のレート:1ドル=115円)
       為替差損益 \500        売掛金  \500

為替予約を行ってから、仕入れ・販売等を行った場合には、
取引発生時に円換算金額が確定しているので、決済時や決算時の為替差損益は発生しません。
取引発生後に為替予約を行った場合には、取引時のレートで記帳を行ったあと、
為替予約時に取引から予約までの差額を為替差損益で、
予約から決済までの差額を前受収益または前払費用で処理を行います。

例:①商品100ドルを掛けで販売した。(レート:1ドル=120円)
       売掛金 \12,000                 売上 \12,000

  ②為替予約時 予約時のレートは1ドル=118円、予約レートは1ドル=119円
       為替差損益 \200        売掛金  \100
                       前受収益  \100
       ※取引日と予約日のレート差額
          (@120円―@118円)×100ドル = △200円  為替差損
       ※予約日のレートと予約時のレートの差額
          (@118円-@119円)×100ドル =  100円  前受収益
 
なお、為替予約時に発生する、取引発生時と予約時の為替レートの差額は直々(じきじき)差額、
予約時レートと予約レートの差額は直先(じきさき)差額と呼ばれます。
このとき発生する前受収益・前払費用(直先差額)は決算時には、
当期に対応する部分については、為替差損益に振り替えます。

おわりに

今回は、外貨建取引を記帳する際の基本的な流れについて確認をしましたが、
実際に国外の企業と取引を行う場合には、通貨変動によるリスクだけでなく、
相手国の政策によるリスク、相手企業の信用リスク、文化や言語の違いによるコミュニケーションリスク等、
為替以外のリスクについても注意を向ける必要があります。
実際の取引にあたっては、とくに掛売りを行う場合には、そうしたリスクも含め十分に検討・確認を行いましょう。

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お問合せ:CSアカウンティングお問い合わせフォーム

 

外貨建て取引と為替レート

外貨建て取引とは、日本円以外の外国通貨(外貨)の単位で表示される取引のことをいいます。
外貨建取引を会計帳簿に記載するためには、日本円に換算する必要がありますが、
円建てに換算するためのレートには以下のものがあります。

TTBレート:Telegraphic Transfer Buying Rate(対顧客直物電信買相場

       外貨を円に換える場合に適用されるレート(例:ドルを売って円を獲得する)
       収益、債権に適用可能

TTMレート:Telegraphic Transfer Middle Rate¥(電信仲値相場仲値

       TTBレートとTTSレートの中間値
       原則適用

TTSレート:Telegraphic Transfer Selling Rate(対顧客電信売相場

       円を外貨に変わる場合に適用されるレート(例:円を売ってドルを獲得する)
       費用、債務に適用可能

原則的には、円換算には取引日のTTMレートを使用しますが、
継続適用を条件として収益および債権にはTTB、費用および債務についてはTTSレートを適用することも認められています。

為替予約とリスクマネジメント

外貨建てで掛売りなどを行っていると、取引日と入金日の為替変動の影響を受ける場合があります。
このような為替変動リスクを回避する方法として、為替予約があります。

為替予約とは、予め金融機関と決裁為替レートを取り決めておく方法です。
為替予約を行うことで、将来の為替差損を回避することが可能となりますが、
同時に為替が有利に変動した場合の差益を得ることも出来なくなります。
外貨建て取引を行っている企業は、過去の実績や市場の動向等を考慮し、
予め為替リスク変動に対するマネジメント方針を作成し、
方針に則った場当たり的で無い運用管理を徹底してゆくことが必要です。

外貨建取引の原則的な会計処理

外貨建て取引が行われた場合、どの為替レートを使って円換算するか、がポイントとなります。

原則としては、取引時のレート(Historical Rate ヒストリカルレート)で円建てに換算して記帳を行います。
ただし、取引が頻繁な場合、毎日のレートを確認するという作業は大きな事務負担となります。
そこで、継続適用を条件として
①前月末日・前週末日または当月の初日・当週の初日の為替レートを用いる、
②前月または前週といった一定期間の平均相場を用いる、など簡便な方法を採用することも認められています。
決済時にはその時点のレート(Current rateカレントレート)で決済するので(為替予約を行わない場合)、
取引時に計上した金額との差額が発生します。この差額は為替差損益(営業外収益・費用)で処理を行います。

例:①商品100ドルを掛けで販売した。(レート:1ドル=120円)
       売掛金 \12,000                 売上 \12,000

  ②一ヶ月後、売掛金100ドルが所定の口座に入金された(レート:1ドル=115円)
       預金     \11,500              売掛金 \12,000
       為替差損益   \500

売上・仕入など収益・費用科目については取引時に金額が確定しますが、
売掛金・買掛金などの資産・負債科目は、取引から入金までの間の為替変動の影響を受ける能性があります。
そこで、決算時の際には、決算時のレートで円換算を行い、為替差損益を計上することで為替リスクの時価評価を行います。

例:①商品100ドルを掛けで販売した。(レート:1ドル=120円)
       売掛金 \12,000                 売上 \12,000

  ②決済前に決算を迎えた。(決算時のレート:1ドル=115円)
       為替差損益 \500        売掛金  \500

為替予約を行ってから、仕入れ・販売等を行った場合には、
取引発生時に円換算金額が確定しているので、決済時や決算時の為替差損益は発生しません。
取引発生後に為替予約を行った場合には、取引時のレートで記帳を行ったあと、
為替予約時に取引から予約までの差額を為替差損益で、
予約から決済までの差額を前受収益または前払費用で処理を行います。

例:①商品100ドルを掛けで販売した。(レート:1ドル=120円)
       売掛金 \12,000                 売上 \12,000

  ②為替予約時 予約時のレートは1ドル=118円、予約レートは1ドル=119円
       為替差損益 \200        売掛金  \100
                       前受収益  \100
       ※取引日と予約日のレート差額
          (@120円―@118円)×100ドル = △200円  為替差損
       ※予約日のレートと予約時のレートの差額
          (@118円-@119円)×100ドル =  100円  前受収益
 
なお、為替予約時に発生する、取引発生時と予約時の為替レートの差額は直々(じきじき)差額、
予約時レートと予約レートの差額は直先(じきさき)差額と呼ばれます。
このとき発生する前受収益・前払費用(直先差額)は決算時には、
当期に対応する部分については、為替差損益に振り替えます。

おわりに

今回は、外貨建取引を記帳する際の基本的な流れについて確認をしましたが、
実際に国外の企業と取引を行う場合には、通貨変動によるリスクだけでなく、
相手国の政策によるリスク、相手企業の信用リスク、文化や言語の違いによるコミュニケーションリスク等、
為替以外のリスクについても注意を向ける必要があります。
実際の取引にあたっては、とくに掛売りを行う場合には、そうしたリスクも含め十分に検討・確認を行いましょう。

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