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社債管理① 社債の概要と種類

  • 経理全般

2021年02月12日

企業の投資による資金運用①と②(https://keirinosusume.com/column/accounting/column-1102/)(https://keirinosusume.com/column/management/column-1297/)では、企業が有価証券を購入し運用していく際の基礎知識や留意点について解説を行いました。今回のテーマ「社債管理」では社債を発行する企業の立場から、社債の概要、発行手続きの流れ、発行後の残高管理の注意点などについて確認を行います。

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本コラムの構成
  • 1)社債(券)とは
  • 2)社債(券)の種類
  •  新株予約権の有無
  •  発行対象
  •  担保の有無

1)社債(券)とは

社債券とは事業会社が発行する有価証券の一種です。社債発行の目的は設備投資や運転資金の調達などが中心となります。

社債の発行は、発行元の事業会社とっては利子付きでお金を借りること、社債の購入は社債の発行企業に対してお金を貸すことと同義です。社債の発行元は、利息の支払いと期日までに社債金額を返済(社債の償還)する義務とを負う事になります。
なお、企業の資金調達手段として株式がありますが、株式は投資家からの“出資”であるため、投資金額を投資家に返済する義務は有りません。返済義務の有無において社債と株式は異なる点に留意をしましょう。

2)社債(券)の種類

社債の分類方法は様々ありますが、ここでは以下の3点を切り口に社債を分類していきます。

  • 新株予約権の有無
  • 発行対象
  • 担保の有無

①新株予約権の有無 新株予約権付社債

新株予約券とは、会社の株式を一定期間内に一定の額で購入することが出来る権利のことです。

例えば、一株1000円で株式を1000株購入する権利(新株予約券)を5万円で購入するとします。これにより、市場価格が一株900円でも1200円でも、1000株分については、一株1000円で購入できるようになります。
新株発行後、権利を行使し100万円(1000円✕1000株)を購入すると株式の取得原価は予約権の代金とあわせて、105万円となります。
新株は、値段が上がりやすいという性格があるため(下がることもあります)、株価の市場価格が110万円まで上昇したところで株式を売却すれば、売却額と取得原価との差額の5万円を利益として得ることができます。
【新株予約権付き社債】とは、新株予約権を付帯した社債です。新株をお得に購入できる権利を付けることで、金融商品としての魅力を高めています。

②発行対象 公募債・私募債・銀行引受私募債・少人数私募債

社債は発行対象の違いによって4種類に分類することができます。

【公募債】とは、市場を通して不特定多数の投資家に広く募集をかける社債です。公募債の発行には、社債管理会社の設置や有価証券報告書などの情報開示といった債権者保護のため様々な規制が設けられています。そのため、【公募債】発行場面は大企業が大規模な資金調達を行う際などに限られています。

【私募債】とは、特定の少数の投資家を対象として発行される社債で、償還期限や利率などを発行元が柔軟に設定することが可能です。公募債に比べると容易に発行ができますが、自己資本比率や純資産額など一定基準を満たす必要があります。

【銀行引受私募債】とは、銀行などの金融機関(適格機関投資家)のみを対象とした社債です。金融機関は発行社債を全て引き受け(買取り)、これをさらに投資家に対して販売します。

社債発行会社は金融機関に対して返済を行っていきます。一方、投資家に対する社債返済・利息の支払手続きなどは金融機関側で実施します。社債発行会社にとっては煩雑な事務手続きが削減できるというメリットがある様です。

【少人数私募債】とは私募債の中でも社債購入者を50人未満に制限した社債です。債権者人数を制限するため、一括譲渡以外の社債の譲渡は禁止されているのが特徴です。

③担保の有無 担保付社債・一般担保付社債・物上担保付社債・無担保社債

社債は担保の有無、付帯される担保の種類により4種類に分類することができます。

【担保付社債】とは、発行時に担保が設定される社債のことをいいます。

【一般担保付社債】とは担保付社債の一種で、発行会社の全財産によって他の債権者よりも優先して弁済を受けられる権利がついた社債のことをいいます。特別法に基づいて発行され、放送法による放送債券、日本電信電話株式会社法によるNTT債、日本たばこ産業株式会社法によるJT債などがこれに該当します。

【物上担保付社債】とは担保付社債信託法に基づき、発行企業が保有する土地や建物といった物的財産を担保にした社債です。社債の発行会社と信託銀行等の間で契約が結ばれ、信託会社が社債管理を行います。万一、発行会社が社債の返済が出来なくなった場合には、信託銀行が担保物件を処分して資金を回収し、債権者に対する支払を行います。

【無担保社債】とは、担保が付かない社債のことでるが、現在流通している社債の大部分は無担保社債となっています。

おわりに

今回は、社債の種類・概要について確認していきました。次回「社債管理②」では社債を発行する際の手続きの流れ、発行後の社債返還や利子の支払などについて確認を行ってゆきます。

執筆者:田代

お問合せについて

運営会社:CSアカウンティング株式会社
お問合せ:CSアカウンティングお問い合わせフォーム

 

 

本コラムの構成
  • 1)社債(券)とは
  • 2)社債(券)の種類
  •  新株予約権の有無
  •  発行対象
  •  担保の有無

1)社債(券)とは

社債券とは事業会社が発行する有価証券の一種です。社債発行の目的は設備投資や運転資金の調達などが中心となります。

社債の発行は、発行元の事業会社とっては利子付きでお金を借りること、社債の購入は社債の発行企業に対してお金を貸すことと同義です。社債の発行元は、利息の支払いと期日までに社債金額を返済(社債の償還)する義務とを負う事になります。
なお、企業の資金調達手段として株式がありますが、株式は投資家からの“出資”であるため、投資金額を投資家に返済する義務は有りません。返済義務の有無において社債と株式は異なる点に留意をしましょう。

2)社債(券)の種類

社債の分類方法は様々ありますが、ここでは以下の3点を切り口に社債を分類していきます。

  • 新株予約権の有無
  • 発行対象
  • 担保の有無

①新株予約権の有無 新株予約権付社債

新株予約券とは、会社の株式を一定期間内に一定の額で購入することが出来る権利のことです。

例えば、一株1000円で株式を1000株購入する権利(新株予約券)を5万円で購入するとします。これにより、市場価格が一株900円でも1200円でも、1000株分については、一株1000円で購入できるようになります。
新株発行後、権利を行使し100万円(1000円✕1000株)を購入すると株式の取得原価は予約権の代金とあわせて、105万円となります。
新株は、値段が上がりやすいという性格があるため(下がることもあります)、株価の市場価格が110万円まで上昇したところで株式を売却すれば、売却額と取得原価との差額の5万円を利益として得ることができます。
【新株予約権付き社債】とは、新株予約権を付帯した社債です。新株をお得に購入できる権利を付けることで、金融商品としての魅力を高めています。

②発行対象 公募債・私募債・銀行引受私募債・少人数私募債

社債は発行対象の違いによって4種類に分類することができます。

【公募債】とは、市場を通して不特定多数の投資家に広く募集をかける社債です。公募債の発行には、社債管理会社の設置や有価証券報告書などの情報開示といった債権者保護のため様々な規制が設けられています。そのため、【公募債】発行場面は大企業が大規模な資金調達を行う際などに限られています。

【私募債】とは、特定の少数の投資家を対象として発行される社債で、償還期限や利率などを発行元が柔軟に設定することが可能です。公募債に比べると容易に発行ができますが、自己資本比率や純資産額など一定基準を満たす必要があります。

【銀行引受私募債】とは、銀行などの金融機関(適格機関投資家)のみを対象とした社債です。金融機関は発行社債を全て引き受け(買取り)、これをさらに投資家に対して販売します。

社債発行会社は金融機関に対して返済を行っていきます。一方、投資家に対する社債返済・利息の支払手続きなどは金融機関側で実施します。社債発行会社にとっては煩雑な事務手続きが削減できるというメリットがある様です。

【少人数私募債】とは私募債の中でも社債購入者を50人未満に制限した社債です。債権者人数を制限するため、一括譲渡以外の社債の譲渡は禁止されているのが特徴です。

③担保の有無 担保付社債・一般担保付社債・物上担保付社債・無担保社債

社債は担保の有無、付帯される担保の種類により4種類に分類することができます。

【担保付社債】とは、発行時に担保が設定される社債のことをいいます。

【一般担保付社債】とは担保付社債の一種で、発行会社の全財産によって他の債権者よりも優先して弁済を受けられる権利がついた社債のことをいいます。特別法に基づいて発行され、放送法による放送債券、日本電信電話株式会社法によるNTT債、日本たばこ産業株式会社法によるJT債などがこれに該当します。

【物上担保付社債】とは担保付社債信託法に基づき、発行企業が保有する土地や建物といった物的財産を担保にした社債です。社債の発行会社と信託銀行等の間で契約が結ばれ、信託会社が社債管理を行います。万一、発行会社が社債の返済が出来なくなった場合には、信託銀行が担保物件を処分して資金を回収し、債権者に対する支払を行います。

【無担保社債】とは、担保が付かない社債のことでるが、現在流通している社債の大部分は無担保社債となっています。

おわりに

今回は、社債の種類・概要について確認していきました。次回「社債管理②」では社債を発行する際の手続きの流れ、発行後の社債返還や利子の支払などについて確認を行ってゆきます。

執筆者:田代

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